□ 懐 想 □
久しぶりに通った道
昔と全然違う風景になっていて
異世界に迷い込んだみたい
夏の蒸せ返るような暑さの中
空き地の草の中を君と探した落とし物のビー玉
そのビー玉は私の手の中に
でもその空き地はなくなっていて
ただただ家が連なっている
私の知っている場所じゃない
そう心の中で呟いた瞬間
秋の風が背中をすぅっと通りすぎた
時はやはり流れていた
私自身は変わらなくとも
君自身は変わっていた
背が高くなって雰囲気は全然違うものだった
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